シグルイ そして根元的な暴力への憧れ

人を殴った事はありますか。人に殴られた事はありますか。
私は有りません。
アムロはブライトに殴られたっていうのに!カミーユはジェリドを殴ったっていうのに!


誰しも、いや、男には暴力に対しての憧れがあります。憧れ?畏れ?
しかしそれはそのままの形で現れる事は殆どありません。
教育を受けた人間は暴力を否定されて育ち、暴力を行使する感情を律し、
暴力を行使される機会を避けるように育ちます。
しかしそれでも私達は暴力を愛してるのは事実です。
じゃなきゃドラゴンボールなんて読みゃしませんよ。
プロレスなんて見ませんよ。
ソニックブラストマンなんてやりゃしませんよ。


暴力を否定しながら暴力を愛することを止められない私達は、
仕方なく、正しい暴力を愛します。
正義の旗の下に振るわれる暴力。
統制された環境下で行われる暴力。
暴力なんて正しいはずはないのに!(と教えられたのに!)


暴力、もっと言えば殺人。それが社会の価値基準だった時代。
経済を極めてヒルズに住む現代。
殺人術を極めて城に住んでいた過去。


暴力なんて嫌いだよと呟けば親に捨てられ、友に蔑まれる時代。
彼らは暴力を愛する必要がありました。


我々は暴力を行う事も、愛することも出来ません。
だからシグルイを読む事になります。
そして酷いマンガだなんやらと曰っておけば良いのです。
鼻血すら出さなくなった大人達は。